再会
彼女と再会した。風の強いヴァレイタンの日。
待ち合わせのホテルのロビーの売店の処に彼女は既に居て
こちらを見て小さく手を振った。
相変わらずキュートな笑顔で少し落ち着いて綺麗になった様に思う。
ホテルのエレベーターに乗って見晴らしの良いレストランに入る。
平日の昼間の為か客は僕達だけ一組。 貸し切りの様である。
ステーキランチをオーダーした。
僕は渡しそびれていた、クリスマスプレゼントを今頃になって
贈ることとなった。Tiffanyのオープンハート。そして香水。
海外のお土産のスワロフスキーのハート型のネックレス。
彼女はネックレスが好きなようで、オープンハートとスワロフスキーを
早速、首に掛けて見せた。自分がしていたネックレスと合わせると
3重になって一寸可笑しかったが、付けて見せて呉れたのが嬉しかった。
「オープンハートは以前に持っていたけど無くしてしまって。
戻ってきたようで嬉しい。」そう彼女は言った。
ランチの味はなかなか良かった。前菜の6種盛り、ジャガイモのスープ。
ステーキ。そしてデザートは好きなだけ選べる趣向で有る。
「こんど就職を考えているの。正社員でね。」
「良い事だね。」
そう彼女は嬉しそうに微笑んだ。昔の彼氏の問題で裁判の調停を抱えて
いて、大変そうなのであるが、色々有って風俗に身を置いていた。
それも抜けられて漸く普通の生活に戻って行く。
「又、ご飯食べに行こう。飯トモっていうやつかな。」
彼女は可笑しそうに少し笑って頷いた。
僕は彼女を見送った。肌を触れる事も無かったが心に触れて嬉しかった。
普通と逆のプロセスの関係でも有る。
僕は帰ってから彼女にメールを送った。
「本当はチョコも呉れたらもっと嬉しかったな。」
返事が来た。
「ご免ね。就職したら、今度何かお返しするね。」
暫く彼女との淡く柔らかい関係が続くことを思ったりしている。
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