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彼女からの贈り物

彼女が描いた絵を贈って呉れた。

以前に約束していたコンピュータグラフィックスの絵。
三次元で描かれている。 恐らくは彼女の部屋なのだろうか
あるいは空想の空間なのだろうか、鏡の中に小さく写ったポスターは
マリリンモンローなのだろうかと思う。

絵を贈るのを少し恥ずかしいと彼女は言うのであるが僕はその理由は
彼女の心の中のイメイジを観ることになるのからかも知れないと
感じていた。

お金では買えないもの。そんなプレゼントで嬉しかった。

僕は彼女へ、タブレットで描いた二次元のグラフィックスを贈った。
心の中の彼女の線描。 僕は彼女が高校時代に絵が好きだったという
その姿を想像していたりする。

僕もそうだったから、何か懐かしいような、観たことは無いはずなのに
教室の中で彼女が絵を描いている姿が見えるのは何故なのだろう。
胸がキュンとなるようだ。 不思議だな、ただそう思う。

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彼女からのメール

彼女からのメールが来た。

色々大変だった様なのだが、本音を言うと一寸安堵した。
最近は余りにも恐ろしい事件なども有って、そういう中で
彼女の身の回りを案じていたのである。

これから彼女は歩む道を変えていく事になるのだが
それも人生を再設計するという意味では一つの契機に
なるのだと感じている。

彼女は僕の夢の中に居た。

僕はその夢を現実のものとしたいと思った途端に
彼女自身を夢の中から現実に引き戻してしまった。
彼女が此れから現実を歩む事によって、
夢ではなくて本当の幸せを掴んでいくのだと
信じている。

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彷徨う心

彼女と逢えない時間が堆積していって、薄くなるのかと思っていたのだが。
僕はその彼女の鉛の様に重い比重の心が転写してくるようで返って辛く
なってしまうのである。
説明が無いまま、丁度クリスマスの日に逢えなくなってもう随分と時間が
過ぎて行く。訳が無いというのも一つのメッセージなのかも知れないと
思ったりもする。

僕は彼女が普通の生活に戻ることを寧ろ喜んでいる。その方が彼女に
向いているからなのである。そう、最初から話していた。
唯、突然というのがやはり辛いのであろう。 
僕の彷徨える心は暫くまだ落ち着かずに居る。

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雪の日

雪が舞う冷たい日になった。

低気圧が発達して荒れた天気。

低く曇った空から風とともに吹きつける
雪は少し吹雪のよう。

ガラス窓越しに、ふっと吐息が白く
表面を覆う。

指先で彼女の名前を書いてみる。

ガラス越しの冷たさが指から
伝わるようだ。

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記憶の中の彼女

彼女と会う事が出来なくなって暫くの時が過ぎた。
そうなると逢いたいと思う気持ちが強まるように思う。

自分でも気付かなかった感情が時間と供に創られて行く。
普通は薄らいでいくのだが、どうしたというのだろう。
他の娘では満たされない。やはり違うのだと思う。

時々、フラッシュバックの様に映像の断片が頭に
浮かんだりする。 首筋から耳朶に掛けての映像、
彼女の瞳のクローズアップ。チョコレートを食べる
仕草。彼女の泪。蝋燭の灯に照らされる笑顔。

見た事もないはずの彼女の高校時代に絵を教室の
中で描いている姿。それは想像なのだろう。

その一つ一つの動画の繋がりが何時に無く頭に
浮かんできては消えていく。
夢の様な現実。現実のような夢。
それらが交錯してイメージを創り始める。

僕は彼女の極く一部しか知りはしない。
しかし映像は3Dの様に彼女をマッピングしていく。
まるでCGの様で有る。

「私、CGを勉強してたの。」

そう彼女が言ったせいかも知れないが、僕の頭は
パソコンも使わずに彼女の映像を容易に描いて見せるのである。
彼女が微笑んだ様なヴィジュアルが浮かんできた。

「なかなか良い笑顔じゃないか。」

自画自賛してみたりする。

でも本物には叶いはしないよ。

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初日の出

太平洋岸のその砂浜には既に初日の出を待っている人たちが居た。
僕は犬に連れられて、その砂浜を波打ち際まで歩んで行った。
空には最初、薄く星も見えていた。

空は水平線のすぐ上の処まで雲が掛かっていて、太陽が顔を出すまでに
少しの時間を要したのであるが、周囲を茜色に染めながら、そして
紅に輝く太陽は神々しいその姿を現した。

潮騒の音と供に見る日の出は綺麗であった。
波もその光を受けて輝き始めている。
冬の凛とした透き通る様な空気の中で、ぼくは手や頬が
少し冷たくなって刺すようだった。

彼女は、同じ太陽の光を見ているのだろうか。
一年の始め。
彼女への密かな思いが透き通った空気の中を伝播
していって彼女の元に届くようにと暫く祈っていた。

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